フランスの新古典主義の魁、ルイ16世様式

アンティーク様式について第11弾、ルイ16世様式

 

今回は、前回のオーストリアのヨセフィニッシュとほぼ同時期、

(正確にはヨセフィニッシュの方が若干遅れていますが)

新古典主義の始まりのアンティーク様式、

フランスのルイ16世様式についてご紹介したいと思います。

 

個人的なお話ですが、

ルイ16世と聞くとマリー・アントワネットが思い浮かび、

そうするとふとベルサイユのばらが脳内に舞い込んでくるんですよね。

そうです、ルイ16世様式はこのベルサイユのばらと同時期のスタイルです。

ちなみにマリー・アントワネットはオーストリア人なので、

ルイ16世様式に妙な親近感を覚えてしまいます。

 

余談でしたが、

このルイ16世様式はフランス革命前の最後のアンティーク様式なので、

豪華絢爛で華やかなデザインのインテリアや家具がたくさん残っています。

たくさんと言っても貴族にしか持つことが出来なかったインテリアなので、

お店などではあまり取り扱いがありません。

 

ロココからの脱却と新古典主義が始まった頃のスタイル

 

先述した通り、ルイ16世様式は新古典主義の始まりのスタイルです。

新古典主義のロココなどの甘美なサロン的スタイルではなく、

古代ローマやギリシャのスタイルを中心にデザインされたインテリアです。

 

ヘルクラネイムとポンペイで18世紀中期に遺跡が発見され、

フランスでも古代芸術への再帰が流行するようになり、

その結果ルイ16世様式というスタイルが出来上がりました。

 

一部ではルイ16世はルイ14世の頃のスタイルへの称賛や、

マリー・アントワネットが装飾に大きな影響を与えている等、

詳細は確かではないのですが色々な意見があります。

 

ではこれからルイ16世様式の詳細な特徴をご紹介します。

 

ルイ16世様式の特徴

 

ルイ16世様式の特徴は、

それまでのロココ様式と比較すると明らかです。

最大の特徴は、直線的であることです。

 

新古典主義というものがそもそも反ロココだったので、

ロココ様式との比較が最もわかりやすいかと思います。

 

 

直線的でシンメトリー、幾何学的

今までのロココ様式が嘘のように直線的なルイ16世様式は、

特に家具の脚がとても印象的です。

 

ロココ様式までの猫脚のような緩やかな曲線はなくなり、

ギリシャやローマの古代遺跡の柱のようにまっすぐで力強い脚に変化しました。

 

また、ルイ16世様式はシンメトリーでとても幾何学的なデザインが多いのも特徴です。

これもまた反ロココで、

シンメトリーで自然モチーフの多かったロココ様式とは全く異なるデザインです。

 

古代ローマのモチーフ

ロココ様式でよく用いられた植物などのモチーフに変わり、

当時発掘が進められていた古代ローマのモチーフが用いられるようになります。

後にナポレオンの登場で古代エジプトのモチーフも主流になっていきますが、

その先駆けと言えるのがルイ16世様式でしょう。

 

ルイ16世様式でよく見られるのは、

月桂樹や花のリース、古代遺跡の柱のモチーフ、フリーズと呼ばれる柱の上部に見られるパターンのモチーフなど、

古代ローマやギリシャのモチーフがふんだんに使用されています。

 

これらのモチーフに加え、

古代遺跡を思わせる大理石を使用した家具もたくさんあり、

フランスの優美さと古代遺跡の力強さが美しく融合しているアンティークと言えます。

 

 

ルイ16世様式の木材は、オークやクルミ、マホガニーなどが主に使用されていました。

この高級な木材に飾りつけなどで大理石、陶磁器、銅やブロンズなども使用されていました。

 

さすがに貴族階級に親しまれたインテリア、

ルイ16世様式までのものは贅沢な素材がふんだんにしようされています。

 

その後フランス革命により王政が廃止され、

インテリアも徐々にシンプルに変化していきます。

ルイ16世様式とエンパイア様式の間にはディレクトワール様式というアンティーク様式があるのですが、

ディレクトワールはルイ16世様式を簡素にしたスタイルなので特に紹介しません。

ディレクトワールの家具が手に入った時にご紹介したいと思います。

 

フランスの宮殿の様なアンティークなら

 

幼いころから想像していたアンティーク様式とルイ16世様式はぴったり合致します。

もし、フランスの王政時代の宮殿内インテリアの様なアンティークがお好みでしたら、

ルイ16世様式もお気に入りになること間違いなしでしょう。

 

ロココ様式に比べ直線的な分やや扱いやすくなっています。

また、直線的であるために女性的な可愛らしい印象が薄くなっているので、

男女問わず楽しめるアンティークでもあります。

 

年代が1750年前後の物なので、

希少価値は相当高く、素材も高級なので、

修復済み家具は椅子一脚でも数十万円してしまいます。

 

ルイ16世様式をリバイバルさせたセカンドエンパイア様式でも少しだけ似たような雰囲気を楽しむことが可能です。

ナポレオン三世様式の名前でも販売されているので、

ぴったりのアンティークを探してみてくださいね。

 

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レアアンティーク、ヨセフィニッシュ

アンティーク様式第十弾、オーストリアのヨセフィニッシュ

 

今回は久々にオーストリアのアンティーク様式についてご紹介します。

フランス・イギリスに押され気味でなかなか表に出てこないオーストリアのアンティーク、

その中でも新古典主義という言葉で埋もれてしまうヨセフィニッシュについてご紹介します。

 

そもそもヨセフィニッシュというカタカナ表記でいいのか迷いました。

ドイツ語だとJosephinischとなり英語読みだとジョセフィニッシュなのですが、

本国オーストリアにならってドイツ語読みでヨセフィニッシュと言うことにしました。

おそらく日本のアンティークショップでヨセフィニッシュと言っても通じないかと思います。。

それくらい馴染みの薄い存在です。

(日本ではオーストリアの初期新古典主義と言えば大体同じ意味になります。)

 

 

さて、このヨセフィニッシュ、

何故こんなにも周知されていないのかというと、

18世紀中期頃のスタイルで相当古いことと、

期間も20~30年ほどでビーダーマイヤー様式に変わっていってしまい、このビーダーマイヤー様式がかなり普及してしまったので、

ヨセフィニッシュ押され気味です。。

 

更に新古典主義といえばフランスのエンパイア様式がとても有名で、

ここでもヨセフィニッシュ埋もれてしまっています。

 

オーストリアでも希少アンティーク

 

このレアアンティークであるヨセフィニッシュは、

オーストリアでもかなり稀な存在です。

だからあまり周知されてないんですよね。

 

オーストリアのアンティークショップや美術館ではもちろん周知されていますが、

実際お店で販売されているかというと微妙なところです。

 

現存している数が少ないので、

ウィーンなどの人口が多く、所得の多い層が多い地域では売られているかもしれませんが、

その他の地域では年に一度見れたらラッキーくらいのアンティークです。

価格も相当なものなので見るだけで充分です…

 

見ている分にはとても美しいヨセフィニッシュ、

余談が多かったのでそろそろ特徴をご紹介したいと思います。

 

ヨセフィニッシュの特徴

 

冒頭でもお話したように、

ヨセフィニッシュは新古典主義という考えが基本となっているアンティーク様式です。

 

古代ローマやギリシャのデザインと、バロックの要素が入った新古典主義で、

フランスのエンパイア様式やイギリスのリージェンシー様式と異なるのは古代エジプトやアジアの要素が薄いこと、

真鍮やブロンズなどの装飾があまり見られません。

 

時期が近いフランスやイギリスのスタイルよりも、

どちらかと言えばビーダーマイヤー様式の原型といったところでしょうか。

木材がピカピカに磨き上げられた、

素材重視のインテリアが特徴的なヨセフィニッシュです。

 

ビーダーマイヤー様式と少し似ているヨセフィニッシュですが、

ビーダーマイヤー様式には無い特徴がいくつかあります。

 

脚の形状

ヨセフィニッシュ最大の特徴が各インテリアの脚の形状です。

脚の部分が下に向かうほど細くなっていくのがヨセフィニッシュです。

 

下に向かうほど細くなる脚というのは逆円錐や逆四角錐というのでしょうか、

先細りしていく珍しい形状をしています。

椅子やコンソールなどの小型の家具ならわかるのですが、

チェストやタンスなどの大型家具にもこのような特徴が見られます。

これで重い物を入れても安定しているので、

当時の家具メーカーは相当計算していたのでしょう。

 

この脚の形状がヨセフィニッシュ最大の特徴といえます。

 

木材のパターン

フランスのエンパイア様式やイギリスのリージェンシー様式と異なり、

ヨセフィニッシュは真鍮やブロンズの装飾はほとんどなく、

代わりに木材でパターンを作っている家具がほとんどです。

 

木材のパターンというのは、

日本の伝統工芸で言う所の寄木細工のように、

異なる種類や色の木材で模様が描かれているということです。

 

左の写真がいい例なのですが、

このチェストの端に線状の模様があります。

これも寄木です。

 

このチェストはヨセフィニッシュではなく、

初期のビーダーマイヤーなのでかなりシンプルな模様ですが、

この様な模様があるのがヨセフィニッシュの特徴です。

 

(ちなみにこの写真の脚もちょっと先細りですね。

それでもビーダーマイヤー様式なのですが。。)

 


この他に、

ヨセフィニッシュ様式では主にマホガニーやチェリー、クルミの木などが使用されていました。

 

この高級木材にピカピカになるまでポリッシュをかけるのが印象的です。

ビーダーマイヤーも同じなのですが、

オーストリアやドイツのアンティーク家具はてかてかしています。

素材愛なのでしょうか。

 

見つけたらラッキーなヨセフィニッシュ

 

もしヨセフィニッシュの家具を探していて、

どこかのお店でたまたま発見して、

その家具が素敵だな、欲しいなと思ったらすぐに購入を検討してください。

それくらいあまり流通していないアンティークです。

 

価格もビーダーマイヤーと比べるとびっくりする価格ですが、

一生モノの家具として検討することをおすすめします。

 

…あまりアジア圏には出回らないので、

購入対象のアンティークというよりも、

ヨーロッパ旅行の際に博物館やお店で見てみて欲しい、

そんなアンティークです。

 

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エンパイア様式(帝政様式、アンピール様式)について

アンティーク様式第九弾、エンパイア様式について

 

前回のイギリス リージェンシー様式が前置きだったとしたら、

今回のフランスのエンパイア様式が本稿です。

 

フランス、と国を限定しましたが、

このエンパイア様式はオーストリアやドイツにも広まりました。

(ウィーン新古典主義という独特な流れも出たそうなのですが限定的なので触れません)

 

ですので今回はフランスとオーストリアひとまとめです。

まぁ、エンパイア様式なんてフランス発フランス大流行スタイルなので、

お話に上がってくるのはフランスのことばかりになるんですけどね。

 

イギリス リージェンシー様式が新古典主義という考えの一環であることは前回述べた通りで、

今回のエンパイア様式も新古典主義の一環です。

エンパイア様式は新古典主義の代表的スタイルと言えます。

 

フランスのエンパイア様式、新古典主義の代表

 

新古典主義は18世紀後半から19世紀中期に渡って流行した思想で、

18世紀中期までのロココなど曲線的で貴族的な芸術に反対し、

もっとちゃんとしっかりした芸術作品を古代から学びましょうよ!という考えがこの時期湧きあがりました。

 

エンパイア様式の前にもディレクトワール様式などいくつかの新古典主義のスタイルが生まれましたが、

エンパイア様式はナポレオンの登場で新古典主義が大成されたスタイルと言えます。

ナポレオンのエジプト遠征の影響などが色濃く反映されているエンパイア様式は、

エンパイアという名前の通り、

スタイリッシュで重厚、厳格な印象の中に華やかさを残した美しいアンティーク様式と言えるでしょう。

 

ではこれよりエンパイア様式の特徴を見ていきたいと思います。

 

エンパイア様式の特徴

 

前述したように、

エンパイア様式の基本思想は新古典主義で、

反ロココ、古代ローマやギリシャ、エジプトの芸術に影響を受けているスタイルです。

 

ですので、

アシンメトリーで曲線的なデザインは少なく、

シンメトリーで直線的、重厚で鮮やかなインテリアが多く作られました。

 

特にエンパイア様式では、

ナポレオンのエジプト遠征の影響が強く、

よりエジプトの要素が多く盛り込まれています。

 

古代ローマやエジプトのモチーフ

エンパイア様式の最大の特徴、

古代ローマやギリシャ、エジプトのモチーフは、

どのインテリアでも確認することが出来ます。

 

ピラミッドやスフィンクス、ライオンの脚に翼の生えた神話の動物など、

これらをインテリアに対称に飾りつけ、

時にナポレオンの「N」の文字が刻まれることもありました。

 

金メッキのブロンズ

この古代ローマやエジプトのモチーフは、

ただ単に木を彫刻しただけとか、

ペイントされただけとか、

そういった装飾ではありませんでした。

 

ブロンズに金メッキを施し、

彫刻の一部または全部に装飾を加えるという、

何とも贅沢な装飾がエンパイア様式ではたくさん見ることができます。

 

このブロンズの装飾も大まかな彫刻ではなく、

細部まで綺麗に作りこまれた美しい装飾ばかりです。

 

金メッキのブロンズの他にも大理石などの石や宝石類も装飾として使用されました。

 

機能性に優れる

これだけ飾り付ければ、

さすがにそれなりの使い心地の悪さが出てきそうなものですが、

エンパイア様式は機能性にも優れた、優秀なインテリアでした。

 

家具の一つ一つは大きいのですが、

直線的な椅子の背もたれや重いテーブルは安定感があり、

シンメトリーなデザインは扱いやすい物が多くあります。

 

 

このエンパイア様式で主に使用されていた素材ですが、

主にマホガニー、

その他に黒檀やローズウッドなどの高級木材で作られ、

先に述べたように、

ブロンズや大理石なども使用されていました。

 

かなり値の張るアンティークです。

 

エンパイア様式の代表作

 

エンパイア様式の時期には代表的な建築物がパリに多く見られます。

代表的な物は、

  • エトワール凱旋門(凱旋門)
  • カルーゼル凱旋門
  • 旧パリ証券取引所
  • マドレーヌ寺院

以上のように古代ローマやギリシャの様なスタイルの建築物が多くあります。

 

高価なアンティークを楽しみたいならエンパイア

 

エンパイア様式の家具やインテリアがお部屋にあると、

インテリアの格が数段上がるとても豪華なアンティークスタイルです。

 

一生モノのアンティークをお探しで、

素材も贅沢な物にこだわりたいのであれば、

エンパイア様式はおすすめしたいアンティーク様式の一つです。

 

金額は修復済みのものだと安めの車が買える金額くらいになりますが、

その美しさは価格以上の価値があるのではないでしょうか。

 

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イギリスのリージェンシー様式について

アンティーク様式についての第八弾、リージェンシー様式

 

今回はイギリスのリージェンシー様式について見ていきたいと思います。

 

リージェンシー様式は、

1790~1830年頃までイギリスで流行したスタイルです。

同時期(後半)のヨーロッパ本土では、

オーストリアはビーダーマイヤー様式、フランスはルイ・フィリップ様式と、

中流階級向けのシンプルなインテリアが流行していましたが、

イギリスはこの2つのスタイルと比較するのは間違いで、

どちらかというとその前に流行した新古典主義に強く影響を受けたスタイルです。

(新古典主義については次回お話したいと思います。)

 

この新古典主義というのが古典様式のリバイバルなので、

そうです、

またリバイバルです。

でもヒストリスムスとはまた異なり、

もう少し古い古代ローマやエジプトなどのスタイルのリバイバルでした。

 

ローマやギリシャ、エジプト古典の再興

 

リージェンシー様式はまさに新古典主義の考え方と同じで、

ロココなどの甘美な貴族的スタイルと反した、

重厚で直線的、シンメトリーなスタイルが主流となっていきました。

 

アンティーク様式によく見られるリバイバルがここでも発生していて、

それまでの流行に反する考えというものは常に生まれるようです。

 

ここではどちらかと言うと、

ルネサンス以前の、

アンティーク様式とかそういう枠を飛び越えるくらい前のスタイルが復活しました。

 

というのも、

当時の遺跡発掘の影響が強かったようで、

発掘された古代遺跡のイメージが強くインテリアにも影響を与えています。

 

リージェンシー様式の特徴

 

リージェンシー様式の特徴は、

前述した通り古代ローマやギリシャ、エジプトのイメージです。

ここでイメージと言ったのは、

遺跡はあくまでも遺跡で設計図などが残っているわけでもなかったので、

要するに当時のアーティストがインスピレーションを受けてコピーしたものでした。

古代ローマなどでこのような家具が実際に使われていたかどうかは不明です。

 

古代ローマなどのイメージの他にも、

中国などのオリエンタルなデザインも見られるようになりました。

 

ここからもう少し詳細にリージェンシー様式の特徴を見ていきたいと思います。

 

古代遺跡のイメージ

リージェンシー様式の最大の特徴と言えば、

古代ローマやギリシャ、エジプトのモチーフがインテリアに多く使用されていることです。

 

建築物や彫刻でこの古代遺跡のイメージは顕著に見られるデザインなのですが、

家具やインテリアでもその影響がよく表れています。

スフィンクスやライオン、翼のモチーフ、

古代ローマやギリシャのシンメトリーな神殿のイメージなど、

上手く家具に取り入れているのがリージェンシー様式です。

 

色合いもゴールドの真鍮や大理石、

ソファなどに使用される布地にも金彩など、

豪華な印象が強いスタイルです。

 

オリエンタルモチーフ

古代遺跡のイメージのみならず、

当時貿易が盛んだった中国やインドなどのオリエンタルモチーフも登場するのがリージェンシー様式です。

 

特に中国のデザインをイメージした家具は多く作られたようで、

漆塗りや竹を用いた椅子、

龍などのアジア独特のモチーフなども使用されています。

 

日本をイメージした家具もあるようなのですが、

中国とミックスされて個人的にはよくわかりませんでした…

 

 

この様に、

ロココまでのスタイルとはやや異なる印象の強いリージェンシー様式、

木材も色々な物が使われました。

 

マホガニーはリージェンシー様式でも多く使われましたが、

その他にもローズウッドやゼブラウッド、黒檀など、

エキゾチックな木材が多く使われています。

オリエンタルな雰囲気の家具と相まって、

リージェンシー様式以前のヨーロッパの上流階級っぽいイメージからやや離れた印象になります。

 

リージェンシー様式は個性的な新古典主義

 

 

イギリスのリージェンシー様式以外にも、

フランスやオーストリアでも新古典主義は同じような時期に広まりました。

 

フランスのエンパイア様式が新古典主義の代表的スタイルなので、

リージェンシー様式は代表的とは言えませんが、

イギリスらしい個性的なアンティーク様式と言えます。

 

次回ご紹介するエンパイア様式などの古代ローマの様な古典的なスタイルをお好みの方には、

リージェンシー様式も是非一度試していただきたいアンティーク様式です。

 

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フランスのレストレーションとルイ・フィリップ様式

アンティーク様式についての第七弾、ルイ・フィリップ様式

 

前回のビーダーマイヤー様式が19世紀中期頃のオーストリアやドイツの流行だったとすると、

同時期のフランスではレストレーションとルイ・フィリップ様式が流行していました。

 

今回はレストレーションとルイ・フィリップと、

2つのアンティーク様式をご紹介するのですが、

この2つは名前こそ異なるものの、

レストレーションはルイ・フィリップに至るまでの過程の期間で、

この2つをまとめてレストレーションと呼ぶこともある為一緒にご紹介したいと思います。

 

基本的な流れはビーダーマイヤー様式と同じで、

中流階級向けのインテリアということになります。

ただ、その中でもやはりフランスらしさというものが強く感じられます。

特にオーストリアとフランスを比較すると、

その国の特色がよくわかり非常に面白いのです。

 

フランスらしさを残したルイ・フィリップ様式

 

さて、レストレーションとルイ・フィリップ様式ですが、

レストレーション期が1815年~1830年頃、

ルイ・フィリップ期が1830年~1852年頃までと、

やはりここでも産業革命やフランス革命の影響が強く表れる期間に流行したスタイルです。

 

中流階級が中心となったスタイルですので、

ビーダーマイヤー様式と同様に使いやすくシンプルなインテリアが多いのがルイ・フィリップ様式です。

レストレーション様式は移行期なのでルイ・フィリップ様式と比べると豪華な雰囲気が残っていますが、

それ以前のエンパイヤ様式などのスタイルに比べるとやはり簡素な雰囲気になってきています。

 

では、レストレーション様式やルイ・フィリップ様式にはどのような特徴があるのか、

次の章で詳しく見ていきたいと思います。

 

ルイ・フィリップ様式の特徴

 

レストレーション様式とルイ・フィリップ様式の最大の特徴は、

やはり使いやすさ、扱いやすさが考慮されたシンプルさではないでしょうか。

 

主にエンパイヤ様式のデザインを残したまま、

快適さを求められ進化したレストレーション様式、

レストレーション様式から真鍮の飾り等の過度な装飾を排除し、

且つ中流階級の憧れだったロココスタイルのリバイバルの要素を取り入れたルイ・フィリップ様式、

少しずつ中流階級の日常生活に密着した家具が誕生していった時期です。

 

シンプル、不要な飾りはつけない

レストレーション様式から徐々に失われていった装飾は、

ルイ・フィリップ様式ではほとんど無くなってしまいます。

 

装飾というのは、

木材ベースの家具に真鍮などの飾り(取っ手や鍵部分以外の装飾を指します)や、

貝などの異素材の飾り、

木材のパターンなど使用していく上では不要な装飾を指します。

この装飾が年代を追うごとに無くなっていき、

ルイ・フィリップ期には木材のシンプルなカーブのデザイン以外ほぼ飾り気のないインテリアへと進化していきました。

(これを退化と呼ぶ場合もあります。好みの問題でしょうか…)

 

このシンプルなデザインへの移行の過程には、

やはり広く一般に広まったデザインであることと、

マスプロダクト化していった経緯があります。

 

ただ、そんな中でも、

ルイ・フィリップ様式はロココ様式のリバイバルと言われるだけあり、

椅子やソファ、テーブルの脚の外側に広がった新しい曲線のデザイン、

コンソールやテーブルの表面が大理石で覆われている等、

フランスらしい細かな美しさが垣間見えます。

 

木材へのこだわり

シンプルなデザインだからこそ、

レストレーション様式やルイ・フィリップ様式では材質、

特に木材へのこだわりが強くうかがえました。

 

レストレーション様式では主に、

高級木材であるマホガニーやローズウッドに加え、

エルムやメープル、アカシアなどフランスで手に入りやすい木材も使用されていきました。

 

ルイ・フィリップ様式では主に、

マホガニーやローズウッド、クルミの様な高級木材が使われ、

リビングなどの暖かい色のインテリアにはチェリーなどが使われました。

レストレーション様式はややデザインへのこだわりが残っていたとしたら、

ルイ・フィリップ様式は素材を活かしたインテリアが多く作られたということになります。

 

 

ルイ・フィリップ様式は現代でもフランスではとてもよく見かけるアンティークスタイルです。

ビーダーマイヤー様式と比較するともう少し古典的な雰囲気があるので、

バロックなどの古典アンティーク好きな方でも受け入れやすく、

また比較的手軽に手に入れることが出来るアンティークかと思います。

 

ルイ・フィリップ様式は扱いやすくて美しい

 

ルイ・フィリップ様式の色々な特徴を簡単にまとめてみました。

重厚でシンプルで且つ美しいルイ・フィリップ様式、

フランスアンティークの家具やインテリアを初めて購入する場合、

おすすめしたいスタイルの一つです。

 

若干大きくて重いデザインが多いので家具の移動は大変ですが、

存在感はずば抜けています。

 

個人的なおすすめは、

チェストかセクレタリーという書棚にデスクが隠れた棚が、

ルイ・フィリップ様式の木材へのこだわりが一番感じられて美しいと思っています。

 

是非ルイ・フィリップ様式でインテリアの格上げに挑戦してみてください!

 

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ビーダーマイヤー様式について

アンティーク様式についての第六弾、ビーダーマイヤー様式

 

イギリスのビクトリア様式 まで長々と古典様式のリバイバルについて書き連ねましたが、

このリバイバルの前にオーストリアやドイツで起きたブーム、

ビーダーマイヤー様式についてご紹介したいと思います。

 

ビーダーマイヤー様式もやや古典様式の再興に近いのですが、

見た目がかなり異なり、特徴的なので、

アンティークにもこんなスタイルがあるんだなと再発見されるかもしれません。

 

ヒストリスムス やセカンドエンパイア同様、

同じ時期に同じような流行がフランスでも起きているのですが、

こちらについては後述します。

イギリスも若干独特ではありますが似ているので、

こちらについてもまた後述していきたいと思います。

 

では、アンティーク愛好家からは賛否両論あるビーダーマイヤー様式を少し掘り下げて見てみたいと思います。

 

オーストリア・ドイツを代表するビーダーマイヤー

 

ビーダーマイヤー様式、

このアンティーク様式の名称を日本国内ではあまり耳にすることはないと思います。

専門家や勉強しているのであればともかく、

世間一般には広くは知られていないアンティーク様式の一つです。

 

ただビーダーマイヤーの本場、

オーストリアやドイツではアンティークの基本と言っていいほど、

色々なアンティークショップで見ることが出来ます。

 

ビーダーマイヤー様式は1815年~1830年頃まで続いたアンティーク様式です。

ここでアンティーク様式と限定して言ってしまいましたが、

ビーダーマイヤーは、

インテリアや建築、ファッションのみならず、

文学や思想、生活そのものをビーダーマイヤーと呼ぶため、

ビーダーマイヤー=インテリアと結びつけるのは狭すぎると言えます。

 

ビーダーマイヤーの基本的な思想が、

市民階級の自由で開放的な芸術への欲求と言うのでしょうか、

中流階級の芸術や文学、インテリアなどへの追求の形がビーダーマイヤーです。

 

ここで今一度アンティーク様式、インテリアスタイルに焦点を戻したいと思います。

ヒストリスムスとビーダーマイヤー、

主軸となっている人が中流階級の人と同じですが、

ヒストリスムスが産業革命の恩恵を受けた中流階級向けのインテリアスタイルであるとすれば、

ビーダーマイヤーはフランス革命後の中流階級が先導したインテリアスタイルであると言えます。

 

このビーダーマイヤー様式には他とはかなり明白な違いがあるのですが、

ここからはビーダーマイヤー様式の特徴について見ていきたいと思います。

 

ビーダーマイヤー様式の特徴

 

ビーダーマイヤー様式は、

それまでのインテリアスタイルとは異なり、

中流階級が中心に流行したスタイルで、

使いやすさの中に美しさを求めたスタイルと言えます。

 

この使いやすさという部分が賛否両論を巻き起こしている部分でもあるのですが、

他のアンティーク様式と比べ扱いやすい家具が多いのが特徴です。

 

素材を活かしたシンプルさ

ビーダーマイヤー様式の家具やインテリアは扱いやすい、

要するにとにかくシンプルです。

 

ビーダーマイヤーの根源が、

身近で日常的な物に目を向けるという思想から生まれたため、

繊細で壊れやすく、掃除もしにくい、そういった家具がありません。

 

この繊細ではなく、装飾も控えめであるところが、

どうやら一部のアンティーク愛好家の方には受け入れられないポイントの様です。

確かにビクトリアやバロック、ロココなどと比較すると物足りなさはあるかもしれません。

 

しかし、ただシンプルなだけではなく、

シンプルで使いやすい中にも美しさを求めたビーダーマイヤー様式には、

木材などの素材の美しさを存分に引き出した家具も多く存在します。

 

ビーダーマイヤー期にはマホガニーのような手に入りにくい高級な木材ではなく、

チェリーやオーク材などのヨーロッパで手に入りやすい木材を使用し、

その木材にシェラックなどのワックスがけや研磨などを施し、

見た目にも鮮やかで輝くような家具が誕生します。

 

ビーダーマイヤー様式の家具には、

木材の色の特徴やシェラックの様な暖色のワックスの色が影響しているのか、

温かみのある家具が多い印象があります。

ビーダーマイヤー
ビーダーマイヤー

上の二つの写真はビーダーマイヤー様式の家具です。

特に左のチェストはビーダーマイヤー様式らしい美しいチェストです。

 

とてもシンプルで温かみのあるデザインは、

現代のインテリアにも合いやすく、

 

オーストリアやドイツでは今でも日常的に取り入れられているアンティーク様式です。

 

古典的なスタイルも加えてエレガントに

ビーダーマイヤー様式の家具は単にシンプルなだけではなく、

古典様式を部分的に簡単に取り入れています。

 

古典様式を取り入れるとはいえ、

バロックやロココの様な豪華で繊細な様式ではなく、

古代ローマの様な直線的で重厚なデザインが用いられました。

 

シンメトリーで直線的、しっかりとした雰囲気の古代ローマのデザインは、

ビーダーマイヤー様式をより美しく、より芸術的に仕上げています。

 

ビーダーマイヤー

ビーダーマイヤーのデスクです。

 

チェリー材で出来たデスクの足が、

少しローマ神殿の柱の様な雰囲気を思わせ、

シンプルかつ美しいデスクとなっています。

 

ビーダーマイヤー様式の代表作

 

ビーダーマイヤーには建築物のみならず、

色々な芸術作品が生まれました。

中でも代表的な物をこれより紹介していきます。

 

ビーダーマイヤー様式の建築物

  • ヨーゼフシュタット劇場(ウィーン)
  • サンクト・マルクス墓地(ウィーン)
  • リヒテンタール教会の中庭(ウィーン)

ビーダーマイヤーの代表的なアーティスト

  • ヨーゼフ・コルンホイゼル(建築家)
  • ヤコブ・アルト(画家)
  • カール・シュピッツウェク(画家)

ビーダーマイヤーは150年以上愛され続けている様式

 

オーストリアやドイツで150年以上も愛され続けているスタイルのビーダーマイヤー様式は、

より日常に根付いているインテリアスタイルと言えます。

アンティーク様式というのが何となく気が引けるほど、

今でもオーストリアやドイツ中でたくさん見ることが出来ます。

 

日本ではあまり馴染みのないアンティーク様式ですが、

アンティークと考えずに、

少し良い家具を買うのと同じような感覚で、

ビーダーマイヤー様式を自宅の一室にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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イギリスのビクトリア様式について

アンティーク様式第五弾、独自路線のイギリス

 

前回まで、

オーストリア・ドイツのヒストリスムスフランスのセカンドエンパイア と、

19世紀後半から始まった古典様式のリバイバルについてご紹介してきましたが、

今回はイギリスの古典様式のリバイバル、ビクトリア様式です。

 

ビクトリア様式は古典様式のリバイバルですが、

他のヨーロッパ諸国と比べやや早期に始まっています。

しかし基本的には19世紀後半から20世紀初頭にかけての再興期間でしたので、

概ね似たような流行となっています。

 

ただしさすが島国、

ヒストリスムスやセカンドエンパイアは若干の違いはあるものの、

似たり寄ったりの部分が多いのですが、

ビクトリア様式だけは一目でわかります。

一言で言えば派手です。

イギリスの独自路線が垣間見えるスタイルです。

 

基本的にはリバイバルのビクトリア様式

 

ビクトリア様式はイギリスを代表するアンティークスタイルです。

比較的最近の年代であることと価格が安価であることから手に入れやすいので知名度が高いということもありますが、

イギリス最高の時代であるビクトリア期はイギリスを象徴するスタイルがたくさん生まれた時代でもあります。

 

前述した通り、

流行の基盤は古典様式のリバイバルがビクトリア様式です。

 

ヒストリスムスやセカンドエンパイアと同様、

昔上流階級の人たちだけが楽しんでいたインテリアが、

産業革命の影響で中流階級の人たちも楽しめるようになり流行したスタイルです。

 

建築物やインテリア、服飾など多岐に渡って流行したビクトリアスタイルですが、

色鮮やかな壁紙も流行したのがビクトリア期です。

 

ビクトリア様式の特徴

 

さて、イギリスのビクトリア様式の特徴ですが、

こちらも基本的にはヒストリスムスやセカンドエンパイアと同じです。

古典的なスタイルが一番の特徴です。

 

ビクトリア様式を詳細にみてみると、

ネオ・ゴシックやネオ・ロココスタイルが多く、

細かな装飾や植物や動物のモチーフが多くデザインされていること、

金属やガラスを家具の一部にも使用することから豪華さが際立っていること、

以上から派手めなスタイルであると言えます。

また女性的なデザインであるとも言えます。

 

このビクトリア様式には前期と後期とで分けて考えることが多いので、

前期後期に分けて詳細をご紹介したいと思います。

(中期もある分野があるのですが、ややこしくなるので前後期にだけ分けます。)

 

前期ビクトリア

前期ビクトリアは、

19世紀半ばから19世紀後半頃に見られたスタイルで、

古典様式、特に、ゴシックとロココのリバイバルが強く表れているスタイルです。

 

前期ビクトリアスタイルが登場するまでのリージェンシースタイルは、

至ってシンプル、直線的なデザインが多かったのですが、

打って変わって曲線的で装飾の多いネオ・ゴシックやネオ・ロココが流行しました。

それまでのシンプルさを打破するかの如く、

かなり装飾の多いインテリアが多くみられるのが前期ビクトリアの特徴です。

 

また、大量生産が始まった時期でもあるので、

かなりかっちりと規則性のある装飾が多いのも特徴です。

 

前期ビクトリア様式はファンも多いのであまりこんなこと言えないのですが、

その細かい装飾から別名埃キャッチャーとも言われています。

 

後期ビクトリア

後期ビクトリアは、

19世紀後半から20世紀初頭頃に見られるスタイルです。

20世紀初頭の時代をエドワードスタイルと呼ぶ場合もあります。

 

後期ビクトリア期では、大量生産がより定着し、

粗悪なインテリアもたくさん出回った時期でもあります。

ただその大量生産のおかげで色々な層の人たちにインテリアが生活の一部として定着した時期でもあります。

 

後期ビクトリアになると、

過度な装飾は抑えられ、色彩が豊かになっていきます。

この後期ビクトリア期に色とりどりの壁紙が用いられるようになり、

一目見ただけで鮮やかさが伝わってくるようなインテリアが流行するようになりました。

 

また過度な装飾が抑えられてきたため、

ややシンプルで使いやすいデザインが増えていきました。

それでもやはり他のスタイルと比較すると埃がたまりやすいデザインではあります。

 


当店で取り扱いのあったビクトリア様式の家具の一部の写真です。

 

木の細かい装飾が印象的です。

バロックやロココに比べると線が若干太く、

ややしっかりした印象ですが、

古典的な印象はこの時期だとビクトリア様式が一番強いのではないかなと思います。

 

…この繊細な装飾の隙間に埃がたまるのです。

全てが全てこのような装飾たっぷりの家具ばかりではないのですが、

やはりビクトリア様式といえばこのような装飾が多い家具を思い浮かべる人が多いと思います。

飾りを取るか埃と闘う覚悟を決めるか…

ちょっと手のかかるアンティークです。

 

ビクトリア様式の代表作

 

ではビクトリア期に建築された代表的な建築物をご紹介したいと思います。

ビクトリア様式はイギリスのアンティーク様式ですが、

北米などにも広がったスタイルでもあります。

 

ただ、今回はイギリスに絞りたいと思うので、

イギリスの代表的な建物のみご紹介したいと思います。

 

 

  • セント・パンクラス駅、ロンドン
  • 自然史博物館、ロンドン
  • ウェストミンスター宮殿(ネオ・ゴシック)
  • ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン
  • リヴァプール大学、リヴァプール(ネオ・ゴシック)

 

ビクトリア朝はイギリスの絶頂期と言われるのが頷けるほど、

現在でも有名な観光名所やパブ、レストランなどはビクトリアスタイルが多く残っています。

イギリスアンティーク=ビクトリアと考えられるのも納得です。

 

リバイバルのお話はビクトリアで一旦休題

 

このビクトリア様式で19世紀後半頃に始まったリバイバルのお話は一旦おしまいです。

 

各国若干の違いはあるものの、

ヨーロッパ中が古典様式に再び憧れて流行した、そんな時代でした。

 

ヒストリスムスとセカンドエンパイア、ビクトリアのように、

各年代のスタイルは基本的にはオーストリア・ドイツとフランス、イギリスと異なった名称で呼ばれるので、

これからの記事もこの3つの国ごとに分かれていくことになります。

 

…イタリアだけ仲間はずれなのは、

イタリアだけ年代ではなくて街ごとにスタイルが分かれていて、

ざっくりとしたことしか言えないからです。

いつかそのざっくりを一塊でお話しできることを祈って…

 

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フランスのセカンドエンパイアについて

アンティーク様式についての第四弾、フランス!

 

アール・ヌーヴォー前までは、

オーストリア(ドイツ)とフランス、イギリスで、

似たようなスタイルの流行ではあるものの、

名称が異なることが多々ある為、

今回はフランスの一時期のアンティーク様式をご紹介します。

 

セカンドエンパイア、

日本語では第二帝政期と呼ばれる19世紀後半に流行したスタイルで、

産業革命の影響が強くみられるアンティーク様式です。

 

ヒストリスムスと近いセカンドエンパイア

 

前回の記事でご紹介したヒストリスムス と今回のセカンドエンパイア、

流行した年代がほぼ同じということもあり、

スタイルはほとんど一緒です。

 

ヒストリスムスの方がやや実用的なインテリアが多いのに対して、

セカンドエンパイアの方がロココ調の色合いが強い程度で、

ヒストリスムス同様、

過去のアンティークスタイルのリバイバルという前提は全く同じです。

 

別名ナポレオン三世スタイルとも呼ばれるこのスタイルは、

ナポレオン三世の特に好んだルイ16世スタイルを中心としたリバイバルです。

ナポレオン三世が行ったパリ改造計画などの影響により、

パリの町並みの一部にはセカンドエンパイアの影響が色濃く残っています。

 

セカンドエンパイアの特徴

 

ヒストリスムスで19世紀後半から20世紀初頭のリバイバルの特徴については書いたのですが、

フランスのセカンドエンパイアというリバイバルのみに注視して、

フランスらしいリバイバルを取り上げていきたいと思います。

ナポレオン三世の影響が非常に強いスタイルです。

 

建物はネオ・バロックやネオ・ルネサンスなど

まず、この期間の建築物からご紹介していきます。

 

やはり、セカンドエンパイア期に建築された建物の多くは、

ネオ・ゴシックやネオ・バロック、ネオ・ルネサンスなどの古典的なスタイルが好まれていました。

パリのガルニエ宮はセカンドエンパイア期のネオ・バロック様式の代表的建築物です。

 

ナポレオン三世の影響も強く、

ルイ16世様式で作られた町並みがパリのオスマン通りです。

 

フランスの他にも、

北米にセカンドエンパイアの影響を受けた建築物がたくさん見られるのも特徴です。

フランスのセカンドエンパイアを真似たというよりも、

セカンドエンパイアの時期にフランスのバロック様式のリバイバルが起きたという方が正確かもしれません。

 

ヒストリスムスと比較すると、

セカンドエンパイアはルネサンス以降のアンティークスタイルのリバイバルの方がより多い印象です。

 

インテリアはネオ・ロココなど

セカンドエンパイア期のインテリアは、

ロココやルイ16世様式のリバイバルです。

ですので、見た目がとても鮮やかで豪華な印象の強い家具がたくさんあります。

 

ロココやルイ16世様式のような繊細さはあまりなく、

使いやすくて心地の良い家具を多く制作した時期でもあります。

この点もヒストリスムスと同じです。

中流階級の人々がインテリアに注目したことによる、

インテリアの普及の上でユーザーフレンドリーになっていった結果です。

また、当時のロココやルイ16世様式に比べ安価な材料で作られているのも特徴です。

安く使いやすい家具なら色々な人の手に渡っていきますからね。

 

また、セカンドエンパイア期の家具のもう一つの特徴として椅子があります。

ルイ・フィリップ期(セカンドエンパイアの一つ前の様式です。)から見られるようになったデザインですが、

タブ・チェアーと呼ばれる椅子の座面のみだけではなく、

背面から脚の部分までクッション地で覆われたスタイルの椅子が誕生します。

(脚の部分はフリンジで隠されている場合もあります。)

 

タブ・チェアーから派生して、

カンバセーション・ベンチと呼ばれる、

座面が2つ対極についていてアームを共有する形のベンチなど、

省スペースのカウチが誕生します。

(2人かそれ以上の人数が座れ、別の方向を向いて横並びになる形のカウチです。)

 

この椅子のデザインからもくみ取れるように、

心地よく使い勝手のいいデザインがセカンドエンパイアには多いのが特徴です。

 

セカンドエンパイアの代表作

 

最後にセカンドエンパイアの代表的な建築物をご紹介します。

基本的にはフランスセカンドエンパイアをご紹介したので、

フランスの建物のご紹介ですが、

北米でかなりたくさん見られる建築物でもあるので、

北米の物もいくつかご紹介します。

 

フランスの建築物

  • ガルニエ宮(オペラ座)(ネオ・バロック)
  • ルーヴル宮殿の一部(ネオ・バロック)
  • オスマン通り(ルイ16世)
  • エリゼ宮殿
  • ピカルディー美術館

北米、その他の建築物

  • アイゼンハワー行政府ビル ワシントンDC
  • フィラデルフィア市庁舎 フィラデルフィア
  • 旧市庁舎 ボストン
  • モントリオール市庁舎 モントリオール
  • 連邦政府ランジュバン棟 オタワ
  • ブリュッセル証券取引所 ブリュッセル

リバイバルが本当に多かったこの時期

 

セカンドエンパイアについて、

ほとんどヒストリスムスとの比較となってしまいましたが、

本当にこの時期は古典的なスタイルのリバイバルが世界各国で巻き起こっていました。

 

世界各国の流行が似通ってはいるものの、

国によってそれぞれ少しずつ違う印象があるのが面白いです。

今回のフランスのセカンドエンパイアは、

フランスらしい、優雅な雰囲気が多いような気がします。

 

この時期のもう一つの特徴、

イギリスの後期ビクトリアも後日ご紹介します。

 

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ヒストリスムスについて

アンティーク様式についての記事の第三弾

 

前回のアール・ヌーヴォーの記事 に続きまして、

今回も歴史をさかのぼる形式でアール・ヌーヴォーの次、

ヒストリスムスについてご紹介したいと思います。

 

ヒストリスムスという名前は日本ではあまり馴染みのないものだと思います。

オーストリアやドイツではかなり有名なアンティーク様式ですので、

これを機に是非ヒストリスムスについての知識を加えてみてくださいね。

 

アール・ヌーヴォー前の古典主義リバイバル

 

アンティークの歴史上で、

リバイバルという以前流行した様式の再流行ということが頻繁に起きるのですが、

ヒストリスムスもまさしくその一つで、

過去流行した古典的な様式の再流行がヒストリスムスです。

 

ヒストリスムスの時代が1850年頃から1910年頃にかけてと、

比較的近代に起こったリバイバル現象だったため、

現代でも多くの家具や建築物でヒストリスムスを見ることが出来ます。

 

ではヒストリスムスの家具や建築物とはいったいどのようなものなのか?

次項で詳細に述べていきたいと思います。

 

ヒストリスムスの特徴

 

ヒストリスムスの特徴は、

過去のアンティークスタイルと現代のスタイル(19世紀頃を指します)の融合や、

過去のアンティークスタイルの融合です。

 

ヒストリスムスは主にオーストリアやドイツで流行したスタイルで、

イギリスでは同時期に後期ヴィクトリアが流行していました。

2つに共通して言えることは、

産業革命後に中流階級もインテリアを楽しむようになったこと、

機械で大量生産が可能になったこと、

以上が合わさって、

過去の上流階級のみのスタイルが大衆に広まったデザインであると言えます。

 

比較的若く、他のアンティークスタイルに比べ多くの家具が出回ったことから、

現代でも手に入れやすいアンティークの一つです。

 

ヒストリスムスはこれ、といった独自のスタイルがあるわけではありません。

どのようなスタイルとの融合なのかをこれから説明していきたいと思います。

 

ロマネスクやゴシックなどのルネサンス前のリバイバル

ヒストリスムスのリバイバルは、

アンティークスタイルの初期、ロマネスクやルネサンスも含みます。

初期のアンティークスタイルはヒストリスムスでも早くリバイバルしました。

 

ロマネスクやゴシックのリバイバルは、

主にお城や政府関係の建物で多く見られます。

オーストリアやドイツの公共機関の建物で、

現在でもたくさんのヒストリスムス期のロマネスク、ゴシックスタイルを見ることが出来ます。

 

ネオ・ルネサンス

ルネサンスのリバイバルであるネオ・ルネサンスも、

ヒストリスムスでは欠かせないスタイルです。

 

ネオ・ルネサンスはウィーン国立歌劇場などのオペラハウスや美術館でよく用いられた様式です。

ヨーロッパで始まったリバイバルの流行は当時の日本にも波及し、

京都市の中京郵便局はネオ・ルネサンスの代表的建築物です。

 

ネオ・バロック

1900年前後になるとバロック様式のリバイバルも始まります。

 

豪華で重厚なイメージのバロックなので、

ネオ・バロックは宮殿や劇場などで多く用いられたスタイルです。

パリのオペラ座などはネオ・バロックを代表する建築物です。

 

ネオ・ロココ

元々サロンのスタイルだったロココは、

ヒストリスムスでもインテリアなどの内装や絵画でリバイバルしました。

 

フランスで始まったロココは、

もちろんフランスでもほぼ同時期にリバイバルが置きましたが、

ヒストリスムスとは別の名前なので後日詳細にご紹介します。

 

オーストリアのロココリバイバルは、

家具などのインテリアにもみられるのですが、主に絵画で再興しています。

インテリアは初期ロココに比べシンプルで日常使いしやすい物が多いのが特徴です。

 

 

他にも色々なスタイルがヒストリスムス期にリバイバルしたのですが、

書ききれないので代表的な物のみ記載しました。

ヒストリスムス

ちなみに…

この写真のサイドテーブルはヒストリスムスのものです。

一言で言えば使いやすそうです。

(実際使いやすいです。)

繊細さや豪華さにはやや劣る部分がありますが、

日常使いの家具としては優れたスタイルといえます。

 

ヒストリスムスの代表作

 

最後にヒストリスムスの代表作をいくつかご紹介したいと思います。

アーティストだとあまり馴染みがないかもしれませんので、

代表的な建築物をご紹介します。

(フランスやイギリスの建築物は別記するので、オーストリア、ドイツ、スイスなどの建築物をご紹介します。)

 

オーストリアの代表的建築物

  • ウィーン国立歌劇場(ネオ・ルネサンス)
  • ウィーン美術史美術館(ネオ・ルネサンス)
  • グラーツ・オペラハウス(ネオ・バロック)
  • ヴォティーフ教会(ネオ・ゴシック)
  • グスタフ・アドルフ教会(ネオ・ロマネスク)

ドイツの代表的建築物

  • ベルリン大聖堂(ネオ・ルネサンス、ネオ・バロック)
  • フランクフルト 旧オペラ座(ネオ・ルネサンス)
  • ハンブルク市庁舎(ネオ・ルネサンス)
  • ノイシュバンシュタイン城(ネオ・ロマネスク)
  • シュヴェリーン城(ネオ・ロマネスク)

スイスと日本の代表的建築物

  • チューリッヒ中央駅(ネオ・ルネサンス)
  • ベルン連邦院
  • シュタッドハウス、ウィンタートゥール
  • 法務省旧本館(ネオ・バロック)
  • 赤坂離宮(ネオ・バロック)
  • 東京駅(ネオ・ゴシック)

ルネサンス以降繰り返されるリバイバルの一つ、ヒストリスムス

 

ヒストリスムスは、

ルネサンス以降何度か繰り返し起きたリバイバルの一つです。

オリジナルとはまた少し違う、

リバイバルの良いところも悪いところも色々見られる、

比較的面白いアンティーク様式です。

 

特にヒストリスムスはそんなに古くない年代で、

更に産業革命後に起きたリバイバルなので、

他のアンティークスタイルに比べて比較的価格も安く手に入れやすいアンティークスタイルです。

 

古典的なアンティーク様式がお好みなら、

ヒストリスムスから入るのも手かもしれません。

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アール・ヌーヴォーの歴史と魅力

アンティーク様式についての第二弾

 

前回のアール・デコの記事に引き続き、

今回はアール・ヌーヴォーの記事を書きたいと思います。

 

アール・ヌーヴォーはとても人気があるスタイルで、

色々な作家が色々なアール・ヌーヴォースタイルを生み出したので、

ブログに書くのはかなり緊張します…

上手くまとめられるのか不安で仕方ないです。

 

アール・ヌーヴォーの歴史やスタイルを簡単にまとめるので、

アール・ヌーヴォーが何なのか知りたい方はどうぞご覧ください。

 

世界中に根強いファンを持つアール・ヌーヴォー

 

現在でも高い人気と根強いファンを持つアール・ヌーヴォーは、

アール・ヌーヴォー期以前のベースが同じ様式の繰り返しを、

ルネサンス以降初めて打破したアートスタイルです。

 

そんな当時画期的とも言える、全く新しいスタイルのアール・ヌーヴォーは、

1880年代のイギリスで始まったアーツ・アンド・クラフツ運動が起源と言われています。

それまでの大量生産型のヴィクトリアスタイルからの脱却、

より生活に密着し、尚且つ芸術性の高い物を生み出そうとした運動です。

 

イギリスからフランス、ドイツ、オーストリアなどヨーロッパ各国に広がり、

現在ではアール・ヌーヴォーとして世界中に知られることとなりました。

 

美しいアール・ヌーヴォーの建築物を多く残すベルギーでは、

建築とアール・ヌーヴォーを融合させた最初の建築であるブリュッセルのタッセル邸を起源として、

ヨーロッパ各国にアール・ヌーヴォーの建築を広めることとなりました。

 

一番有名なフランスのアール・ヌーヴォーは、

サミュエル・ビングが1895年に開いた画廊をきっかけに、

1900年のパリ万博で世界中にアール・ヌーヴォーの名を轟かせることとなります。

 

ドイツではユーゲントシュテルという名で広まっていきました。

ミュンヘンで1896年から出版されたDie Jugend という美術誌が起源となり、

ドイツ語圏ではユーゲントシュテルという名前(ユーゲントスタイル、青春様式)で広まることとなります。

また、1892年に結成されたミュンヘン分離派は、

後のベルリン分離派やウィーン分離派に先駆けてユーゲントシュテルを世の中に広めていきました。

 

オーストリアでは1897年に設立したウィーン分離派が起源となり、

ユーゲントシュテルの作品を輩出していきました。

その後ウィーン分離派のヨーゼフ・ホフマンらが中心となりウィーン工房を設立、

ヨーロッパ・アメリカを中心にユーゲントシュテルを広めることとなりました。

 

 

その他ヨーロッパ各国で様々な形でアール・ヌーヴォーは広まりましたが、

1つのブログにはまとめられません…

主要なもののみで失礼します。

 

アール・ヌーヴォーの特徴

 

さて、ヨーロッパ各国で様々な広がりを見せたアール・ヌーヴォーですが、

特徴は各国若干の違いはあるものの、共通点があります。

 

アール・ヌーヴォーの起源は実は日本の葛飾北斎や歌川広重の浮世絵が影響を与えたという説があります。

アール・ヌーヴォー期以前からジャポニズム(ジャポネズリー)という、

今までヨーロッパになかったアートの技法や色彩、表現が使われるようになりました。

 

ジャポニズムの流行と新しいアートの追求が、

 

アール・ヌーヴォーを生み出したということになります。

これを知って、私は今一度浮世絵を見直してみたくなりました。

 

自然界モチーフや繊細な曲線、必ずしもシンメトリーではない自由なデザインがアール・ヌーヴォーの特徴です。

よくよく考えると、

葛飾北斎の浮世絵の繊細な曲線とカラフルな色使いが、

アール・ヌーヴォーに近い物がありますね。

イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動発ではなく、

日本発のアール・ヌーヴォーと考えると、アートスタイルの面では説明が付きやすいかもしれませんね。

 

これから写真を用いてアール・ヌーヴォースタイルの詳細をいくつかご紹介します。

 

自然界のモチーフ

まずはアール・ヌーヴォーとは切っても切れない自然界のモチーフについてです。

 

アール・ヌーヴォーの、

特にガラス製品や絵画などを見ると必ずと言っていいほど自然界のモチーフが使用されています。

 

ルグラ

こちらの花瓶は、

アール・ヌーヴォーを代表するアーティスト、ルグラの花瓶です。

 

鮮やかな色使いに、

美しい自然が描かれた、

とてもアール・ヌーヴォーらしい作品です。

 

こちらの照明は、

作者不明ですが、吊り下げ部分の金属が蔦になっているところが、

特にフランスのアール・ヌーヴォーを思わせるデザインです。

 

この様に絵画だけでなく、

インテリアから生活雑貨、衣服に至るまで、

アール・ヌーヴォーでは自然界のモチーフを大切に取り扱っています。

 

ガラスや金属との融合

アール・ヌーヴォーのもう一つの特徴として、

今までのアートスタイルでは見られなかった異素材を使用しているということがあげられます。

 

アール・ヌーヴォー以前のアンティーク家具というと、

どんな木材を使ったかという違いくらいで、

素材的には木材という基本を出ることはありませんでした。

 

アール・ヌーヴォーでは、

インテリアはこの素材で作らなくてはいけないという概念もなくなります。

家具に金属やガラス、陶器などを装飾として用い、

時に銀や宝石など高価な材料も多く用いられるようになりました。

 

ミューラー

特に写真のようなガラスの作品は、

アール・ヌーヴォーでは代表的なものがとても多いのが特徴です。

写真のデスクランプはフランスのミューラーのものです。

 

フランスのアール・ヌーヴォーのガラス製品は特に人気のある作品がたくさんあります。

 

オーストリアのアール・ヌーヴォーのガラス作品もご紹介したかったのですが、

フランス程多くの工房がなかったこと、

量産されなかったことから、

全く手に入らない若しくは高すぎて手が出せません。。

いつか手に入れられることを祈って…

 

アール・ヌーヴォーの代表作家と作品

 

さて、アール・ヌーヴォーの歴史や特徴だけでもかなりの量だったのですが、

これからアール・ヌーヴォーの代表作家と作品を紹介したいと思います。

…たくさんいるので3か国のみ各国1人に絞りますね。

 

フランスの作家と作品

フランスで活躍した最も有名なアール・ヌーヴォーアーティストといえば、

もちろんアルフォンス・ミュシャでしょう。

 

アルフォンス・ミュシャは基本的にはポスターなどの絵画で有名ですが、

パリのカルナヴァレ博物館の内装などもデザインしています。

 

でもやはり一番有名なのは、王道12宮でしょうか。

 

オーストリアの作家と作品

フランスのアール・ヌーヴォーとは少し異なるスタイルを持つオーストリアのアール・ヌーヴォーは、

ウィーン分離派の中心メンバー、ヨーゼフ・ホフマンが有名なアーティストではないでしょうか。

 

ヨーゼフ・ホフマンは、

建築からインテリアまで幅広くデザインしてきました。

特にベルギー ブリュッセルのストックレー邸は世界遺産にも登録されている建築物です。

 

アメリカの作家と作品

アメリカでもアール・ヌーヴォーは大流行しました。

特に、ティファニーは多くのアール・ヌーヴォー作品を残しています。

 

しかし、

ジェームズ・マクニール・ホイッスラーが1876年~1877年にデザインしたピーコックルームは、

アール・ヌーヴォーの先駆け的存在として知られています。

 

華やかなアール・ヌーヴォー

 

アール・ヌーヴォーの世界はいかがでしたでしょうか。

言葉だけでは全然魅力を伝えきれないのが残念です。

 

アール・ヌーヴォーはヨーロッパのみならず、

日本、アメリカ、その他各国が様々なスタイルを持っています。

それぞれの特徴を知るとよりアール・ヌーヴォーの世界が興味深い物になっていきます。

 

アール・ヌーヴォーは、

ブログの1記事にまとめられるほど簡単なアートスタイルではありません。

是非アール・ヌーヴォーの魅力をもっと掘り下げてみてくださいね。

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アール・デコの歴史と魅力

アンティーク様式について

 

今回からアンティークショップらしく、

地道にアンティーク様式について書き連ねることにいたしました。

 

古い様式だと本物になかなか出会えないので、

新しい様式のアール・デコからスタートすることといたしました。

徐々に古い年代の様式をご紹介しますが、

最後の方は数行しか書けないかもしれませんね…苦笑

 

歴史嫌いの私がどれほど頑張れるのか少々不安ですが、

アール・デコの世界と歴史を簡単に魅力的にご紹介いたします。

 

アール・デコの始まり

 

現在でも高い人気のあるデザインのアール・デコ、

よくアール・ヌーヴォーと混合される方もいらっしゃるのですが、

スタイルはアール・ヌーヴォーと全然異なります。

(初期アール・デコは若干似た部分もありますが…)

 

1910年頃から1940年代頃にかけて流行したスタイルのアール・デコは、

1925年のパリ万博で全世界に周知されることとなります。

 

アール・ヌーヴォー期に活躍したウィーン工房や、

イングランド、スコットランドなどの装飾が抑えられたアール・ヌーヴォースタイルが起源となって、

アール・ヌーヴォーからよりシンプルなアール・デコへと流行のデザインがシフトしていきました。

 

特にアール・デコの全盛期の1920年代から1940年代は、

世界大恐慌や第二次世界大戦など世界中で不安定な情勢が続いたため、

今までの豪華なデザインはどんどん消え、

直線的でシンメトリー、シンプルなデザインが生まれていきました。

 

アール・デコの特徴

 

アール・デコの一番の特徴は直線的なスタイルです。

常にアール・ヌーヴォーと比較されるのですが、

アール・ヌーヴォーが曲線的ならアール・デコは直線的なスタイルです。

 

直線的で且つ無駄な装飾があまりありません。

これだけ聞くととてもつまらないスタイルのように思われますが、

幾何学模様や古代エジプト、アステカ文化、東洋などのオリエンタルスタイルがシンプルなデザインの中に見られ、

シンプルなだけではなく、クールで目を引くデザインが多いのが特徴です。

 

ではこれからアール・デコの特徴をもう少し詳細にまとめてみたいと思います。

 

幾何学模様

 

アール・デコの特徴と言えば幾何学模様です。

でもどのように、どんなものに幾何学模様が使われているのでしょうか。

アールデコ

例えばこのガラスの器、

ガラス全体に幾何学模様が施されています。

 

この様に、ガラスや木材、金属等色々な場所に幾何学模様をデザインして、

家具や食器などに用いられているのがアール・デコです。

アールデコ

他にも、

こちらは若干気が付きにくいですが、

このハンギングボックスもアール・デコスタイルです。

 

シンメトリーで一部に施された貝の白い模様は、

シンプルなアール・デコをとても上手く表現したデザインです。

 

オリエンタル

 

アール・デコは直線で幾何学模様、

この2つが揃っているのが基本的には多いのですが、

時々オリエンタルスタイルが混じってくることがあります。

 

ちょうどアール・デコが流行した時期が、

古代エジプトの発掘が盛んだったことや、

カルティエなどの宝石店がダイヤモンドから他のルビーなどのカラフルな宝石を使用するようになり、

徐々にオニキスや珊瑚などのオリエンタルな宝石を使用することになったことなどから、

アール・デコ期にはオリエンタルスタイルが多くみられます。

この写真は陶器のお皿の中心部分のアップの写真です。

 

こちらの陶器の中心の装飾は、

オリエンタルなカーペットを思わせるデザインです。

 

他にもアール・デコ期のジュエリーはオリエンタルデザインがたくさんあるのですが、

残念ながら当店に在庫がないため写真がありません。。

手に入れたら改めてご紹介いたします!

特にラリックやカルティエは大変美しく貴重なので、

一度目にすると虜になってしまいますよ。

 

アール・デコの代表作家と作品

 

最後にアール・デコの代表的な作家と作品をご紹介します。

 

アーティスト

アール・デコの中で最も有名で、

現在でも高値で取引されているアーティストと言えば、

フランスのガラスアーティストのルネ・ラリックです。

ラリックのホームページです )

ラリックのガラス作品はとても美しく、

眺めているだけでもうっとりしてしまいます。

 

また、オーストリアのヨーゼフ・ホフマンも、

アール・ヌーヴォー期からアール・デコ期の家具等を制作したアーティストです。

木材を器用にデザインした椅子は現在でも高い人気を誇っています。

 

作品

アール・デコの作品と言えば、

アメリカ合衆国マンハッタンにあるクライスラー・ビルディングが最も有名な建築作品です。

最頂部のシンメトリーデザインは、

アール・デコを表現するのにぴったりのデザインです。

 

また、日本にもたくさんのアール・デコ作品が残っています。

聖路加国際病院や山の上ホテルの旧館等、

他にもたくさんのアール・デコの建築物が日本にあります。

 

建築物以外にもアール・デコの作品は色々あるのですが、

書いているときりがなくなってくるので、

また次回書ければと思います。

 

シンプルで美しいスタイル、アール・デコ

 

アール・デコの色々を簡単にまとめました。

アール・デコの魅力に気付いて頂けると嬉しいです。

 

私の一番好きなアンティーク様式はアール・デコなので、

日本でももっと広く愛されるととても嬉しいです!

(アール・デコ期の当初はとても愛されていたスタイルだったのですが、

最近ではアール・ヌーヴォーと混合している方が多くなってしまって悲しい限りです…)

 

次回はアール・デコの対極、

アール・ヌーヴォーについてご紹介したいと思います。

 

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