Industrial インダストリアルスタイルとはどんなものなのか
今回はインダストリアルというインテリアのスタイルについて考えてみたいと思います。
いつの間にか全世界で大流行中のインテリアスタイル、インダストリアル。
恐らくフランスから徐々に広まっていったものと思われます。
インダストリアル、別名工業系スタイルとか男前インテリアとか一部で呼ばれておりますが、
一言でいうとシンプルクールなインテリアのことです。
(私の勝手なイメージではエ●ァンゲリオンの綾波●イさんのお部屋がポイと思います。)
代表的なインダストリアルのインテリアは、
ブランドやメーカー物だとランプならJielde、椅子ならイームズなどがあります。
(多分もっとあります、勉強不足です!)
でも基本的には学校や職場、工場などで使われていた家具などをインダストリアルと呼んでいるので、
アール・ヌーヴォーのように誰が作ったこの家具というのは特にありません。
私たちのお店のちょっとインダストリアルっぽい場所はこんな感じです。

昔の映画のホイールというのでしょうか、
そういうのとか、
古い飛行機のプロペラや看板、昔の学校や病院の備品などを飾っています。

こちらは昔の看板、ボートのパドル、テニスラケットにランプなど、
アンティークによくある、芸術的な何かというよりはシンプルな雰囲気があります。
インダストリアルはアンティークなのか
ここまでのインダストリアルの説明で、
かれこれもう数時間経過しているのですが、
インダストリアルはこれ!という言葉にできる明白な形やブランドがなくて困っております。
そもそもインダストリアルは、
20世紀に入ってから使用されていた学校や職場の備品たちを指すので、
アートなの?アンティークなの?
という疑問さえも浮かび上がってくるわけです。
結論から言うと、
個人的にはYES、法律的にはNOです。
そもそもほとんどが100年という年月を経過していないのでアンティークとは正式には呼んでもらえません。
また、芸術的な価値についても若干怪しい部分が残ります。
画一的にカットされた木材や金属、
使いやすさを第一に考えられた設計、
カラーも至ってシンプル…
見る人によっては芸術なんて微塵も感じられないことでしょう。
シンプルが好きとか、
かっこいいからいいんじゃないとか、
流行ってるんだからかっこいいんだとか、
そんな適当な感想はここでは書きません、書けません。
インダストリアルにアンティークの価値を生み出すべく、更なる考察を開始します!
インダストリアルの芸術的なところは若干マニアック
それではインダストリアルの素敵なところって何なのか、
個人的な観点が9割ですが、これより熱弁を始めます。
- インダストリアルの素敵なところ① 使いやすい、ユーザーフレンドリー!
そうなんです、インダストリアルはとにかく使いやすいんです。
なぜかって、もともと学校やオフィス、病院、工場で使われていたデスクや椅子、キャビネットなどなので、
使いにくいわけがないんです。
あるべきところにあって、無駄なものはない、そんな設計です。

例えば上の写真、
スツールですが、ひたすらシンプルな造りです。
座面の高さを調整できるタイプで、
見ての通り、座面を回せば伸縮できます。
更に省設計でもあります。
余計な飾りが付いていないので、場所をとりません。
このわかりやすい設計が既にアートなのです。
万人が使いやすいという実は作るのは結構難しい、
ユーザーフレンドリーという名のアートです。
- インダストリアルの素敵なところ② 見た目がシンプル、くどくない!
インダストリアルスタイルの全てに共通しているのがシンプルなデザインです。
色も木材、金属、レザー等の自然な色彩をそのまま使用しているか、
ペイントされていたとしても概ね、白、黒、アースカラー程度しか使われていません。
ですのでフィットしない家屋というのが想像できません。
(無論、既にロココやビクトリア等のアンティークに占領されているお部屋には不向きかもしれません。)

例えば上の写真、
これは昔の学校で使われていた跳び箱というかあん馬というか…
体育用の備品なのですが、
脚の部分を短くして椅子にしました。
とてもシンプルな椅子です。
でも不思議なくらい座り心地がいいです。
ただ尋常じゃないくらい重いのですが、(30kgくらいあります)
その分安定感もばっちりです。
レザーの色も落ち着いているので、
落ち着いたお部屋作りにうってつけです。
目に優しく、環境にも優しい、
自然に逆らわず融合するというアートの根源を思い出させてくれるインテリアです。
- インダストリアルの素敵なところ③ 素材自体が扱いやすい!傷がついてもまぁ大丈夫!
インダストリアルスタイルの家具や雑貨は、
アンティークに代表されるバロックやロココ、ビクトリアのように彫刻は施されていないのでホコリがたまりません。
また、比較的扱いやすいルイ・フィリップやビーダーマイヤーのような家具によくみられる木材のポリッシュもされていません。
アール・ヌーヴォーやエンパイア様式のように木材と異素材のコラボレーション装飾もありません。
アンティークショップを営んでいると一番面倒なのが掃除です。
本当にどうしてこんなにホコリがたまるのか、
買い取ったばかりのアンティーク家具なんてアンティーク埃がこびりついて離れないなんてざらです。
木材は傷つきやすい素材ですし、
施された装飾は本当に繊細ですし、
ガラスとのコンビのショーケースなんて泣きそうなくらい繊細です。
それに比べインダストリアルはなんて優秀なのでしょう。
全てがシンプルな直線で作られていて、
素材そのままを楽しむので余計なポリッシュもされていなく、
余計な飾りがないから埃がたまらないだなんて…!

この学校のデスクとチェアはフランスの学校の備品でした。
傷が逆にヴィンテージ感を生んでおしゃれだなんてインダストリアルでしか考えられない発想です。
使う人、お掃除する人のことを考えている、
みんなに優しいというちょっと時空の違うアートがインダストリアルで楽しめます。
インダストリアルは初めてのアンティークにこそおすすめ
インダストリアルの不思議な魅力についてでした。
もし、あなたがアンティークに興味があったとして、
でも、どんなアンティークを持つべきか悩んでいたとしたら、
私はインダストリアルを一番におすすめします。
扱いやすさ、合わせやすさは断トツです。
インダストリアルの家具や雑貨を中心にアンティークを揃えていくと、
少しずつアンティークの扱い方もわかってきます。
是非素敵なインダストリアルスタイルを身近において楽しんでください!
上記のオンラインショップはヨーロッパ限定です。
日本のお客様は、こちらの日本向けオンラインショップまでよろしくお願いいたします。
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