今回は商品紹介ではなくお店の基本方針
もの凄く今更感があるのですが、
アンティークショップに限らず様々な小売やサービス業が、
何を目標として・何をしたくてこの業態を始めたのか、
時に迷ってしまうことがあります。
特にアンティークショップという業態は、
自ら何を売るのかを明確にしないと、
リサイクルショップと何ら変わらないお店になってしまいます。
私たちがなぜアンティークショップなのか、
何を目指しているのか、
初めて公にしてみたいと思います。
アンティークショップとリサイクルショップの違い
この業態でよくあるのが、
リサイクルショップと何が違うのかというお話です。
結論から…
全然違いますよ。
リサイクルショップと間違われるのは結構心外だったりします。
泣けてきます。
(リサイクルショップの方に失礼でした。。)
リサイクルショップの主な商品特徴は、
誰かの不要になった物を新品より安く売っている、
ということにあるかと思います。
その不要になった物というのは、
売る側の選択肢によるところもありますが、
(家電専門だったり洋服専門だったり、またはブランド品専門だったり…)
昔の物でなければならないとか、
一点物でなければならないとか、
そういった制約はあまりありません。
アンティークショップの主な商品特徴は、
昔の物であって且つ大量生産品ではない物がほとんどです。
昔の物というざっくりとした括りに関してですが、
一応アンティーク=100年以上経過した物という定義があります。
(過去に少し触れていますね。Industrial インダストリアルスタイルのインテリアについて考察してみる。 )
ヴィンテージなども仲間に入れていいかと思います。
また大量生産品ではない物、
100年以上前のアンティークに大量生産品はなかなか見られないのですが、
50年前の大量生産品よりも、
20年前の限定生産品の取り扱いの方がアンティークショップでは多くなります。
リサイクルショップがマスだとすると、
アンティークショップはニッチに該当するのだと思います。
私たちのアンティークに対するこだわり
アンティークショップはニッチ産業なため、
ある程度のこだわりがあります。
それぞれのアンティークショップに個々のこだわりがあり、
あるお店はアンティークジュエリーにこだわったお店だったり、
あるお店はアンティークの本にこだわったお店だったり…
それぞれに色々な取扱商品の特徴があります。
私たちAntikwerkstaetteのこだわりはインテリアとミリタリーグッズです。
ミリタリーグッズはちょっと話が変な方向に行くのでここでは触れずにおきます。
Antikwerkstaetteのインテリアは、
本物、もしくは本物のベースを修繕して販売しています。
ここで言う本物とは、
~風・~調ではない物のことを指します。
例えばアール・ヌーヴォーなら、
アール・ヌーヴォー期にアール・ヌーヴォーの作品を残したメーカーの製品のみを取り扱います。
ビーダーマイヤーの家具なら、
ビーダーマイヤー期に制作されたビーダーマイヤースタイルの家具のみを取り扱います。
最近フランスで制作されたアール・ヌーヴォースタイルの製品や、
オーストリアの家具メーカーが20年前に制作したビーダーマイヤーの家具は、
私たちのお店では基本的に取り扱いはしないということです。
そうするともちろん仕入価格が上がり、
必然的に販売価格も上がっていきます。
販売価格が上がると需要が減っていきます。
(需要供給曲線ですね。懐かしい。)
需要が減ってしまうと売上が減っていきます。
会社としての存続意義が問われるこの選択、
なぜそこまでしてこだわるのか…
私たちがアンティークショップを営む理由
オーストリアで四苦八苦しながらアンティークのお店を営む理由、
まずは仕入先の確保という観点です。
オーストリアの方が日本やアメリカに比べるとアンティークが入手しやすいというのが一番です。
仕入先がないと販売できませんからね。
次に販売先の確保という観点で、
オーストリアの人たちはアンティークや芸術作品が好きです。
古い物を探すこと自体を趣味にしている人がかなりいらっしゃいます。
上記の理由からオーストリアでアンティークショップを営んでいます。
そして理想論ですが、
今までよりも多くの人たちが、
一生モノのインテリアや家具を一生使ってくれることです。
その懸け橋として私たちAntikwerkstaetteがあればいいなと思っています。
物に対する愛着や執着をもっと
20年前と比べて、
安くて便利でスタイリッシュな物をたくさん買える世の中になりました。
機械や流通、インターネットの普及で、
世の中には手に入れられないものがほぼなくなっています。
買えないものはほとんどなくなってしまった世界で、
物欲がなくなってしまった人もたくさん生まれてしまったように思います。
一点物のお気に入りを一度探してみて、
その物をメンテナンスしながら生涯大切に使ってみてはいかがでしょうか。
一生モノの素晴らしさは、
一緒に同じ時を過ごして初めて分かるのです。
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