フランスの新古典主義の魁、ルイ16世様式

アンティーク様式について第11弾、ルイ16世様式

 

今回は、前回のオーストリアのヨセフィニッシュとほぼ同時期、

(正確にはヨセフィニッシュの方が若干遅れていますが)

新古典主義の始まりのアンティーク様式、

フランスのルイ16世様式についてご紹介したいと思います。

 

 

個人的なお話ですが、

ルイ16世と聞くとマリー・アントワネットが思い浮かび、

そうするとふとベルサイユのばらが脳内に舞い込んでくるんですよね。

 

そうです、ルイ16世様式はこのベルサイユのばらと同時期のスタイルです。

 

ちなみにマリー・アントワネットはオーストリア人なので、

ルイ16世様式に妙な親近感を覚えてしまいます。

 

 

余談でしたが、

このルイ16世様式はフランス革命前の最後のアンティーク様式なので、

豪華絢爛で華やかなデザインのインテリアや家具がたくさん残っています。

 

たくさんと言っても貴族にしか持つことが出来なかったインテリアなので、

お店などではあまり取り扱いがありません。

 

ロココからの脱却と新古典主義が始まった頃のスタイル

 

先述した通り、ルイ16世様式は新古典主義の始まりのスタイルです。

 

新古典主義のロココなどの甘美なサロン的スタイルではなく、

古代ローマやギリシャのスタイルを中心にデザインされたインテリアです。

 

ヘルクラネイムとポンペイで18世紀中期に遺跡が発見され、

フランスでも古代芸術への再帰が流行するようになり、

その結果ルイ16世様式というスタイルが出来上がりました。

 

一部ではルイ16世はルイ14世の頃のスタイルへの称賛や、

マリー・アントワネットが装飾に大きな影響を与えている等、

詳細は確かではないのですが色々な意見があります。

 

 

ではこれからルイ16世様式の詳細な特徴をご紹介します。

 

ルイ16世様式の特徴

 

ルイ16世様式の特徴は、

それまでのロココ様式と比較すると明らかです。

 

最大の特徴は、直線的であることです。

 

新古典主義というものがそもそも反ロココだったので、

ロココ様式との比較が最もわかりやすいかと思います。

 

 

直線的でシンメトリー、幾何学的

今までのロココ様式が嘘のように直線的なルイ16世様式は、

特に家具の脚がとても印象的です。

 

ロココ様式までの猫脚のような緩やかな曲線はなくなり、

ギリシャやローマの古代遺跡の柱のようにまっすぐで力強い脚に変化しました。

 

また、ルイ16世様式はシンメトリーでとても幾何学的なデザインが多いのも特徴です。

 

これもまた反ロココで、

シンメトリーで自然モチーフの多かったロココ様式とは全く異なるデザインです。

 

古代ローマのモチーフ

ロココ様式でよく用いられた植物などのモチーフに変わり、

当時発掘が進められていた古代ローマのモチーフが用いられるようになります。

 

後にナポレオンの登場で古代エジプトのモチーフも主流になっていきますが、

その先駆けと言えるのがルイ16世様式でしょう。

 

ルイ16世様式でよく見られるのは、

月桂樹や花のリース、古代遺跡の柱のモチーフ、フリーズと呼ばれる柱の上部に見られるパターンのモチーフなど、

古代ローマやギリシャのモチーフがふんだんに使用されています。

 

これらのモチーフに加え、

古代遺跡を思わせる大理石を使用した家具もたくさんあり、

フランスの優美さと古代遺跡の力強さが美しく融合しているアンティークと言えます。

 

 

 

ルイ16世様式の木材は、オークやクルミ、マホガニーなどが主に使用されていました。

 

この高級な木材に飾りつけなどで大理石、陶磁器、銅やブロンズなども使用されていました。

 

さすがに貴族階級に親しまれたインテリア、

ルイ16世様式までのものは贅沢な素材がふんだんにしようされています。

 

その後フランス革命により王政が廃止され、

インテリアも徐々にシンプルに変化していきます。

 

ルイ16世様式とエンパイア様式の間にはディレクトワール様式というアンティーク様式があるのですが、

ディレクトワールはルイ16世様式を簡素にしたスタイルなので特に紹介しません。

 

ディレクトワールの家具が手に入った時にご紹介したいと思います。

 

フランスの宮殿の様なアンティークなら

 

幼いころから想像していたアンティーク様式とルイ16世様式はぴったり合致します。

 

もし、フランスの王政時代の宮殿内インテリアの様なアンティークがお好みでしたら、

ルイ16世様式もお気に入りになること間違いなしでしょう。

 

ロココ様式に比べ直線的な分やや扱いやすくなっています。

 

また、直線的であるために女性的な可愛らしい印象が薄くなっているので、

男女問わず楽しめるアンティークでもあります。

 

年代が1750年前後の物なので、

希少価値は相当高く、素材も高級なので、

修復済み家具は椅子一脚でも数十万円してしまいます。

 

ルイ16世様式をリバイバルさせたセカンドエンパイア様式でも少しだけ似たような雰囲気を楽しむことが可能です。

 

ナポレオン三世様式の名前でも販売されているので、

ぴったりのアンティークを探してみてくださいね。

 

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