8月最初の商品紹介は古典的アンティーク
ついに8月です。
早いものですね。
オーストリアは8月めちゃくちゃ暑いです。
湿度はありませんが、
気温が35度を越える日もしばしばなので想像以上に暑いです。
オーストリアの住居には基本的にエアコンが付いていないので、
ほんの数日の猛暑日だったとしても辛いです。
さて、そんな夏真っ盛りの今回、
お店には古典アンティークがたくさん揃いました。
あまり真夏っぽい印象のない古典ですが、
久し振りなのでたくさんご紹介していきたいと思います。
本当は木で出来たアンティーク家具は、
湿度も極端な乾燥も、真夏の太陽もあまり得意ではありません。
木材は人間の肌と同じで、
負担をかけすぎるとカビたり割れたりしてしまうんです。
(冬は乾燥するとバキっと音がすることがあります。割れる寸前です。)
夏はインドア派な私には、
冷房の下でのんびりアンティークを楽しむことが結構好きなので、
是非夏は暑くて外出たくない人、
この夏は室内でアンティークを楽しんでみてはいかがでしょうか。
2017年8月3日の商品紹介
今回は前述した通り、
古典アンティークのみをご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介する商品は、
アール・ヌーヴォー様式のショーケース、
ルイ・フィリップ様式の踏み台、
ビーダーマイヤー様式のチェスト、
ビーダーマイヤー様式の棚、
アール・ヌーヴォー様式のペンダントライト、
以上の5点です。
豪華な古典アンティークたちをご堪能下さい。
アール・ヌーヴォー ショーケース


最初にご紹介する商品は、
アール・ヌーヴォー様式のショーケースです。
こちらのショーケース、
通常のショーケースや棚と少し異なり、
お部屋の角に置くショーケースです。
角様なので四角柱の形状ではなく、
全体的に見ると三角柱の形状になっています。
表のドアは木材の枠に当時のままのガラス張り、
内側は鏡張りととても煌びやかなショーケースです。
表面の木材には黒のシェラック加工が施されていて、
漆にも似た艶やかな光沢が美しさを格上げしています。
上部に金彩を施された装飾が施されています。
この装飾がオーストリアのアール・ヌーヴォーで良く見られるもので、
(オーストリアだとアール・ヌーヴォーと言うよりはユーゲントシュテルですが。)
フランスのアール・ヌーヴォーの様な自由さよりも、
もう少しアール・デコの様な規則性が勝っているデザインと言えます。
ウィーンのアール・ヌーヴォーの代表的な建築物、セセッション館を見ても、
自然のモチーフ、巧みな曲線のデザインが施されていますが、
全体的には線の細い直線でデザインされているのがオーストリアのアール・ヌーヴォーです。


上の写真がウィーンのセセッション館です。
夜撮影したので薄暗くてすいません…
このように直線と曲線モチーフが繊細に用いられているオーストリアのアール・ヌーヴォー。
この雰囲気がたっぷり表現されているショーケース、
アール・ヌーヴォー好きにはたまらない一品です。
高さも180cm程あり、
存在感抜群です。
価格は4,700ユーロです。
ルイ・フィリップ 踏み台


続いての商品は、
ルイ・フィリップ様式の踏み台兼シートボックスです。
こちらの踏み台は図書館で使用されていたもので、
古典主義のデザインが可愛らしい、
踏み台としてだけではもったいないアンティークです。
ルイ・フィリップと言えばフランスの様式なのですが、
どうやらこちらはフランス産ではないようです。
フランスのルイ・フィリップ様式をオーストリアで制作したもののようです。
ルイ・フィリップ様式らしく、
あまり余計な装飾が施されておらず、
でも木材の色つやが美しい家具です。
(ルイ・フィリップ様式については過去ブログフランスのレストレーションとルイ・フィリップ様式を参考にしてください。)
写真2枚目のように、
足元部分を引き出すと階段状になり踏み台として使えますし、
上部は収納も可能なので、
玄関先の腰掛としても使用可能です。
可愛らしくて使用用途の多いこちらの家具、
ご家庭に一つあるととても便利で華やぎます。
価格は130ユーロです。
ビーダーマイヤー チェスト


続いての商品は、
ビーダーマイヤー様式のチェストです。
ビーダーマイヤーはこのチェストの様な大型家具がとても人気です。
この様なチェストも当店で何度も取り扱っていますが、
これまで多くのお客様に愛されてきた商品です。
ビーダーマイヤー様式の特徴は、
何と言ってもシンプルさと木材の美しさではないでしょうか。
こちらのチェストはチェリー材で作られていて、
表面はシェラック加工で鏡の様な艶があります。
1830年頃に制作されたこちらのチェスト、
200年近くの時を経過したチェリー材はカラーも落ち着いて、
目を引くのにどこか落ち着いた印象のある美しい家具です。
また、ビーダーマイヤー様式ですので、
細部を見ていくと古典的な要素がちらほら見られるのですが、
全体的にとてもシンプルなので、
現代の家具ともとても相性が良いのです。
新しくインテリアを変更することなく、
今までのインテリアに合わせることが出来るアンティークがビーダーマイヤー様式です。
大きさは130x102x65 cmと大容量です。
価格は950ユーロです。
ビーダーマイヤー 棚


続いての商品もビーダーマイヤー様式です。
こちらはビーダーマイヤー様式の収納棚です。
いままでこの手のビーダーマイヤー様式の棚は、
前のドアがガラス張りになっていて、
食器棚やショーケースとして使うものが多かったのですが、
今回の商品は全面木材です。
見えないことを活かして、
書類や衣類などを収納しても良いですし、
中を棚からハンガー使用に変えてワードローブとして使用してもいいかもしれません。
こちらの棚で使用されている木材はクルミ材です。
先ほどご紹介したチェリー材のチェストと比べると、
柔らかい色と目を引く木目が印象的です。
こちらもシェラック加工されていてツヤツヤです。
ビーダーマイヤー様式なので、
あまり細かい装飾などは見られないのですが、
ドア部分の曲線や、木目の流れ、足元部分に至るまで、
美しいデザインが特徴的です。
先ほどのチェストよりはもう少し古典的な印象が強いのではないかなと思います。
こちらの棚の高さは約170cmと、
高すぎず低すぎずちょうどいい大きさです。
価格は450ユーロです。
アール・ヌーヴォー ペンダントライト


最後の商品は、
アール・ヌーヴォー様式のペンダントライトです。
こちらのペンダントライトはフランス製なので、
正真正銘アール・ヌーヴォーですね。
ただ、フランスのアール・ヌーヴォーにしては直線的なデザインです。
おそらく後期アール・ヌーヴォーなのだと思われます。
すりガラスで出来たランプシェードがとても美しく、
ゴールドカラーの金属枠と合わさってとても可憐な印象です。
電球を5個使用するライトなので、
点灯するととても明るく、
リビングルームや書斎にも最適なペンダントライトです。
このカラーリングだとどんな壁や天井のカラーでも合うのですが、
一番美しく見えるのは白ではないでしょうか。
白い壁にこのライトを飾って、
金の装飾が施されたアンティーク家具を並べると、
この上なく豪華で美しいインテリアになります。
(家具だけではなく金色の額付きの絵画も並ぶと美しいです。)
価格は390ユーロです。
古典アンティークは美しい
今回は古典アンティークのみ紹介してまいりました。
古典アンティークは、
扱いがやや難しいのですが、
やはり煌びやかで美しいデザインが多く、
お部屋に一つあるだけでもとても豪華な印象を与えてくれます。
今回ご紹介したアンティークは、
オーストリアではとても人気のある商品ばかりです。
ヴィンテージ商品に比べると、
お値段が少し上がってしまいますし、
取り扱いも少し気を使わないといけないのですが、
一生モノの家具をお探しならアンティークがやはり一番だと思います。
数百年という時を越えた家具、
普段から使用するもあり、
観賞用として楽しむのもあり、
色々な楽しみ方が出来ますね。
真夏はこんな豪華な家具に囲まれて、
冷房の下でのんびり過ごすのもいいかもしれません。